ヨーロッパの世界遺産 | 旧ユーゴスラヴィア

ヨーロッパの旧ユーゴスラビア地域は、20世紀末の政治的混乱により観光業は停滞していましたが、美しい自然や、ローマ帝国時代・ビザンツ帝国時代等の、ヨーロッパにとって重要な史跡等が数多く残り、そのため観光資源に富んでいます。

 数多くの史跡の中には世界遺産に登録されているものもあります。それらのを見るには、日本からの直行便はありませんが、ヨーロッパ系の航空会社を中心に便数自体は多いので、乗り継ぎの運が良ければ出発したその日のうちに世界遺産を保有する地に到着することも可能です。

そんな旧ユーゴスラビア地域から、スロベニア、セルビア、マケドニア、モンテネグロと各国の世界遺産について、順を追って紹介します。

■スロベニア

 スロベニアは、ヨーロッパにある、オーストリア、ハンガリー、クロアチア、イタリアと国境を接している国です。スロベニアの人口は約200万人にすぎず、国土は日本の四国ほどの大きさしかありません。

 しかし、スロベニアの国土は、北はユリアン・アルプス、西にはアドリア海が広がり、変化に飛んだ風景の美しさはヨーロッパでもトップクラスです。スロベニアの特筆すべき点として、その決して広いとはいえない国土に大小さまざまな鍾乳洞が6000箇所以上あり、その中でも最も有名なのが、世界遺産にも登録されている「シュコツィアン洞窟群」であります。
特にこの世界遺産の中の、深さ168メートルもある渓谷は、一見の価値があります。

■セルビア

 セルビアは、ヨーロッパのバルカン半島の中心部に位置し、西をディナル山脈、東をカルバディア山脈に囲まれた山がちな内陸国です。セルビアは、20世紀末の政治的混乱により観光業は停滞していましたが、ローマ時代の遺跡や、中世セルビア王国の文化を伝えるヨーロッパの重要な文化的史跡等が数多く残っています。

 それらセルビアの史跡のうち、世界遺産に登録されている4つの場所を紹介します。

「スタリ・ラスとソポチャニ」は、教会等の遺跡からなる世界遺産で、西ヨーロッパとビザンツ様式が組み合わされたラシュカ様式という珍しい様式を持つ建造物もある世界遺産です。

「ストゥデニツァ修道院」の世界遺産は、1183年にセルビアの君主が建立したものです。

 世界遺産「コソボの中世建造物群」の中の一つ、デチャニ修道院は中世バルカン最大の修道院です。

「ガムジグラードとガレリウスの宮殿ロムリアーナ」は、前述の3つと比較すると随分古い世界遺産で、3~4世紀ローマ帝国の四分統治時代に東の正帝ガレリウスが建設した宮殿の遺跡です。

■マケドニア

 マケドニアは、ヨーロッパの旧ユーゴスラビアの最南端に位置する人口200万あまりの国です。マケドニアという、アレキサンダー大王の帝国を想起させるこの国名自体に対しては、周辺の国々が不快感を示しているようですが、かつてはスラブ世界におけるキリスト教文化の中心地として栄えた歴史を持っています。

 マケドニアは海に面していない内陸国で山がちのため、美しい渓谷や、大きな湖等の自然環境が観光ポイントとなっています。特に、世界遺産にも登録されている「オフリドの文化遺産と自然遺産」は、透明度が高く美しい湖と宗教建築が見事に調和し、一見の価値があります。

■モンテネグロ

 モンテネグロは、ヨーロッパにある、2006年に独立した人口わずか62万、国土は福島県くらいの面積しかない小国です。しかし、293キロメートルにわたる海岸線のうち73キロメートルはビーチとなっており、観光資源に恵まれたこの小国には世界遺産が2つあります。

「ドゥルミトル国立公園」は複雑に入り組んだ入江に位置し、背後を山に囲まれた海洋都市で、12世紀の建物が残っている世界遺産です。

「コトルの自然と文化-歴史地域」は、標高2522メートルのドゥルミトル山の周囲に広がる国立公園で、かの有名なアメリカの世界遺産グランドキャニオンに次ぐ世界第二の長さを誇る渓谷です。